今の暮らしをはじめるまでは、〈むし〉を見ると背筋が寒くなる思いをするほど、むし嫌いでした。
スリッパでたたくなんて、もってのほか。(つぶれた跡の汁を想像するだけで怖ろしい)
〈むし〉の存在そのものが苦手でした。
それなのに、それなのに、飛んで火に入る夏の虫。

慣れというのは恐ろしい、もとい、すばらしいもので、
むし虫天国の畑で作業をしていると、だんだんその存在にいちいち驚かなくなってきました。
人間以外の生物の存在を怖がらずに受け入れられることのすばらしさよ。
最近では、直視してその動きを観察する、なんて行為までできるようになりました。

よく見るなんとまあ、以外にかわいいのが多いこと。
背中になにやらびっちり背負ってごそごそ走り行く黒いの
(コオイムシといって、心配性の彼はいつも卵を背負って移動するらしい)とか、
いつも同じ場所で同じ格好をしてとまっているけむし(動かないのか?)とか、
見たところ普通の幼虫なのに、ちろっといじったら、急に歯をむき出さんばかりのヘビに仰天変化を遂げた
「へびむし」(勝手に命名)とか・・・。

かわいいばかりじゃなくて、せっかく育ってきた作物をむちゃくちゃに食い荒らす奴らもいて、
存在を無視してはいられない生き物だということを実感しました。


怖いものや恐ろしいものは、目を背けずに何が怖いのかをよく考え、
それを白日の下にさらせば、怖くなくなるそうです。
まだ図鑑を見るのが怖い(ぜんぜん進歩してない)のだけど、
そのうち虫博士になるべく、
畑の住人たちとお付き合いしていこうと思います。


今日は、「へびむし」くんを紹介します。
(そのうち正式名称を図鑑で調べておきます。)



メールで教えて下さった方がいらっしゃいました。

スズメ蛾の一種 ベニスズメの幼虫

だそうです。へびの姿で威嚇するすべをどこから学んだのか・・・。自然って驚異です。


「へびむし」返上 「ベニスズメ」       
(でも自分の中ではキミはやっぱりへびむし)


元の姿。サトイモの葉っぱを食べてます。
(ピントあってませんが・・・)


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